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2017年度「学生モニター制度」によるヒアリングを実施

2018.03.31

 教育開発支援機構では、学部教育について学生の皆さんの様々なニーズを発見するための「学生モニター制度」を実施しました。

 

ホームページ・掲示板での公募に応募した学生の中から、学科、学年等のバランスを考慮して125名の学生モニターが選ばれ、2017年11月8日〜2018年1月28日の期間で座談会形式によるヒアリングが行われました。今年度は、法学部・文学部・経済学部・経営学部・国際文化学部・人間環境学部・現代福祉学部・情報科学部・キャリアデザイン学部・理工学部・生命科学部・グローバル教養学部・スポーツ健康学部の計13学部での実施に加え、教育開発支援機構として主に教養教育やスポーツ健康教育のあり方、学習環境や学習支援ハンドブック、授業改善アンケートの改善点等についてのヒアリングを実施しました。

 

学生モニターからは授業運営の方法やカリキュラムについての様々な意見や要望をいただきました。ご協力いただいた学生モニターの皆さん、ありがとうございました。

 

ここで出された貴重な意見は、各学部で今後のカリキュラム改革等に活かしていきます。出された意見に対し、各学部の対応の一部を紹介します。

 

●法学部 

モニター内容:

(法律学科)

・入学時に法政大学法学部法律学科を選んだポイント

・法律学科のカリキュラム等、制度一般の中で良い点

・具体的な個々の授業で良かったもの

(国際政治学科)

・実践講座科目「Essay Writing」、「Presentation Skills」、「Debate」の受講希望者募集方法とクラス編成方法について

・上記3科目の授業内容について

・上記3科目と国際政治学科の他科目との関係性について

今後の対応:(法律学科)

即座に対応するのが難しく慎重な検討を要するものもありますが(履修制限の緩和等)、それらも含め、今後の学科における議論において参考にしていきます。特に上級生やOB・OGとの交流の機会を制度的に用意すべきという点に関しては、具体的な検討をなるべく早く検討していきます。

(国際政治学科)

受講における選択肢の幅を広げ、受講したい授業を受講したい学年により取りやすくできるような変更(具体的には例えば、コマ増や、重複履修・連続履修禁止の変更など)を今後も可能な限り検討します。

 

 

●文学部

モニター内容:・大学のカリキュラムに対する意見

・授業内容・授業方法に対する意見

・勉学と競技の両立について

・学科の教員や友人との関わりについて

・授業・競技以外の生活

・卒業後の進路について

※応募資格:体育会に所属している文学部生(ただし、二部体育会や武道連盟に所属する部を除く)

今後の対応:1.「勉強したいという意欲はあるが、授業についていけない」

専任教員に対して、以下のことを推奨します。

(1)過去の授業で配布したプリントを通じて、欠席した回の内容を学習できるようにする。

(2)用語の説明も含まれたプリントを配布する。

(3)授業支援システムに、過去の資料や自習用の資料をアップロードする。

2.「公式競技参加による欠席願を受け取ってほしい」

専任教員に対して以下のことを推奨するとともに、執行部として以下の対応を行います。

専任教員に対して、以下のことを推奨します。

(1)教員間で「公式競技参加による欠席願」の主旨を再確認する。

(2)新たに専任教員・兼任講師として着任された先生に、「公式競技参加による欠席願」の説明を行う。

(3)「専任教員ハンドブック」および「兼任教員ハンドブック」に、「公式競技参加による欠席願」に関する説明を追記するよう担当部局に要請する。

3.「体育会の新入生に公式競技参加による欠席願の説明をしてほしい」

各学科において、オリエンテーション等で、新入生に「公式競技参加による欠席願」の説明を行います。

4.「大学のルールを理解していない (未受験科目の代替措置など)」

新入生オリエンテーションと在校生ガイダンスにおいて、『履修の手引き』に記載されている「試験―未受験科目の代替措置について」を説明することで、『履修の手引き』を見る機会を作ります。

5.「スポーツ・サイエンス・インスティチュート(SSI)科目を履修したい (SSIコースではない学生の意見)」

学部からSSI運営委員会に対して、科目の公開を依頼します。

6.「他のキャンパスで開講されている科目を履修したい」

他キャンパスの授業を履修できるように、他キャンパスの学部と意見交換を行います。

7.「体育会以外の学生と交流したい」

学科の新入生オリエンテーションで、SSIコース以外の学生に対しても、文学部は全ての学科にSSIコースがあることを説明します。

8.「授業を通して、体育会以外の学生と交流したい」

専任教員に対して、以下のことを推奨します。

(1)授業内で自己紹介を行う機会を設ける。

(2)授業時間内外において、グループワークを行う機会を増やす。

9.「体育会の学生と交流したい」

学科の新入生オリエンテーションや在校生ガイダンス後に、体育会の学生だけを集めて情報交換する時間を設けます。

10.「教員とコミュニケーションを取りたい」

専任教員に対して、体育会学生とも、日常的にコミュニケーションをさらに取り合うことを推奨します。

11.「体育会活動の認知度を高めてほしい」

文学部HPや文学部専任教員メーリングリストを始めとする各種媒体を積極的に利用して、体育会学生の活躍を報告します。

 

 

●経済学部

モニター内容:・演習について

・専門科目について

・入門ゼミについて

・1年次と2年次以降の教育内容について

・数学について

・キャリア教育・就職支援活動について

今後の対応:英語で経済学を学ぶ授業を充実させてほしい件について、2018年9月に英語学学位プログラム「グローバル経済学・社会科学インスティチュート(IGESS)」が開講されます。これによって英語による授業の充実が期待されます。IGESSでは、学生は当初は市ヶ谷キャンパスで授業を受講しますが、 4セメスター目の2020年4月には多摩キャンパスでの受講となるため、専門科目を英語で学ぶ機会が増えると考えます。

モニター内容:・語学(英語・第二外国語)について

・総合教育科目について、スタディ・アブロードについて

・学生生活について

今後の対応:学生生活が充実されるよう、長期的展望を持って少しずつ解決していきます。

 

 

●経営学部

モニター内容:・定期試験やレポートの対策・準備について

・不正行為に関する認識について

・ITリテラシーの必要性について

・英語に関する学習意欲や学習方法について

今後の対応: カンニング、剽窃等の不正行為への対策は喫緊の課題であると考えています。例えば、定期試験時に友人同士が固まって着席しないような措置を講じる、電子デバイスの規制を厳しくする、クラス内試験でも厳しく監督するといった対応を検討します。

また、剽窃防止に関しては、毎年課題の内容を変える、電子提出を義務化して剽窃ソフトでチェックしやすくする、といった対応を検討します。

なお、不正行為に対しては、大学全体で厳しく対応し、それを学生に周知する必要があると考えています。

英語科目と電算科目については、入学時の学生のレベル差が大きいことが授業編成、内容に対する学生の不満の一因となっているようです。教員サイドもそれを所与として、学生の要求に一定程度応えていく必要があると考えています。

 

 

●国際文化学部

モニター内容:・チュートリアルおよびその後のレポートや論文の作成方法の習得につい

        て

・スタディ・アブロード(SA)の、4年間の学習・研究における位置づけについて

・SA後に受講する授業について

・海外フィールドスクールについて

・コース制について

・卒業所要単位数について

・演習の履修年次について

今後の対応:コース制は学部の大きな特色の一つであるものの、わかりづらさや履修の不自由さを訴える学生もいることを踏まえ、制度下での卒業所要単位数や必修とする科目等の見直しを開始しています。SA(スタディ・アブロード)/SJ(スタディ・ジャパン)で培われたスキルや知識を活用して海外のフィールドでより専門性の高い学習・研究を行う意欲のある学生を経済的に支援するため、海外フィールドスクール参加者に奨学金を給付することを目指し、「平成30年度JASSO海外留学支援制度」に申請しました(不採択)。チュートリアルについては、毎年度、学部教員全員で情報共有を行い、授業運営の改善に活かしています。演習の履修年次・履修方法については、SA前後の学習・研究の連続性を鑑み、より高い専門性を追求したい学生も、現行制度がよいという学生もともに満足できるよう、より柔軟な制度を検討中です。

 

 

●人間環境学部

モニター内容:・学部教育/カリキュラム全般(以下は例示)

・コース制度

・選択必修科目

・研究会

・コース修了論文

・基礎演習

・その他

今後の対応:初年度(1年次)に将来専門科目とのつながりを意識した学びを提供できるよう、引き続き努力します。1年次春学期必修科目の「人間環境学への招待」を2018年度も見直しながら開講します。

 

 

●現代福祉学部

モニター内容:・基礎演習について

・外国語について

・フィールドスタディ入門について

・社会福祉、地域づくり、臨床心理の3領域を融合したカリキュラムについ        

 て

・専門基礎科目、専門基幹科目について

・実習について(4年生のみに質問)

・海外研修、国内研修制度について

・現代福祉学部棟について

・多摩キャンパスについて

・事務課について

・その他

 今後の対応:モニタリングから得られた意見をもとに教務委員会で改善策について検討します。その後、教授会へフィードバックして学部教員全体で共有し、今後の授業運営やカリキュラム構築などに活かしていきます。

 

 

●情報科学部

モニター内容:・学修

・キャンパスでの生活、キャンパス外での生活

・進路

・施設・設備・立地

・教員・スタッフなどの支援体制

・情報提供について(Web など)

・その他何でも

今後の対応: 食堂業者のスエヒロに対しては2017 年12 月に要望をまとめて改善を申し入れました(注:2018 年2 月に小金井キャンパスからの撤退が発表されました)。

ラウンジで騒ぐ学生に対しては、2017年12月に学生生活課から注意しました。

情報提供に関しては、今後は学部の掲示板を有効に活用することを2017 年12 月の教授会で周知しました。

教材に関する情報提供は、教授会で議論しました。教材全てを事前に公開するのは、教育効果の点で常に有効とは限らないなどの意見がありました。そこで、現行のシラバスよりは詳しい各回の概要などの導入を図る予定です。

教科書に関しては、一部は図書館に所蔵されているので、それを周知するとともに、なるべく情報科学部図書室で事前に閲覧できる体制を確立します。

T・A の対応可能時間は、授業の第1 回目に明示的に周知することを教授会で申し合わせました。

プロジェクトガイダンスに関しては、次回からガイダンス資料を授業支援システムなどで提供する方向で改善を図ります。

ガラス箱オフィスアワーセンター(GBC)でのレポート返却に関しては、GBCのSA が自発的に、レポートの管理方法の改善案を策定し、それに基づく効率的な返却方法に移行しました(2017 年12 月)。

教室の異臭は原因を調査し、近隣事業所の排水ではないかという調査結果になっており、規制上問題がないとのことから改善は難しい状況です。

(外国人学生版)

授業では、辞書に載っていないようなカタカナ語はなるべく使わない、使う場合は、用語集を作成し配布することを教授会で申し合わせました。カタカナ語の多用は日本人学生にとってもわかりにくいとの意見も出ました。

どこに相談すればよいかわからないことに対してサポートするために、GBC を活用してもらうため、2018年度からは、ガイダンス期間に、別途外国人向けにGBCのガイダンスを実施します。

 

 

●キャリアデザイン学部

モニター内容:・学生の所属する演習を志望した動機やきっかけ

・学生からみた学習の様子、ゼミの内容

・学生の理解度や関心の程度

・学生からみた演習の今後の課題などについて

今後の対応:「1代限りゼミ」の在り方を含めて、演習選択期間をなるべく長くとるようにすること、またできるだけ多くの学生に演習の様子を見学出来るような工夫と改善を試みます。

 

 

●理工学部

モニター内容:・チューター制度

・実験・演習

・学科のカリキュラム

・講義科目のシラバス

・インターンシップ

・卒業研究

今後の対応:理工学部執行部会議を通して、関係する学科、小金井事務部学務課、小金井キャリアセンターに報告し、協議したうえ、対応策を検討します。

 

 

●生命科学部

モニター内容:・生命科学部のカリキュラムおよびカリキュラムマップについて

・各種制度についての認知度・利用について

・英語教育、情報教育、教養科目について

・研究室配属について

今後の対応:授業内容の改善については、専任教員間の議論だけではなく、兼任講師との懇談会で意見交換する、小金井リベラルアーツセンター(KLAC)等との連携をさらに強化する、などの対策を検討します。また、生命科学部に所属する教養専任教員とも協力しながら教養教育の強化に力を入れます。

 

 

●グローバル教養学部

モニター内容:・カリキュラム全般(科目の履修状況、講義の質、必修・選択必修科目制度、ゼミ制度について)

・留学制度

・学部による就活支援

・卒業生組織

・その他

今後の対応:カリキュラム全般の問題については、セレクションなどすでに対処している問題もあり、その対処の効果も見え始めています。必修・選択必修科目および講義のレベルに関する問題については、担当教員への周知とともに、新カリキュラム作成に伴う作業のなかで、対処法を検討、実行する予定です。

留学制度に関する要望については、提携校新設の検討を始めています。

一部学生のマナーの問題については、オリエンテーションなどの場で、必要であれば執行部を通して学生への指導を徹底します。

 

 

●スポーツ健康学部

モニター内容:・授業全般について

・他学部の科目履修について

・教養科目について

・第二外国語について

・バスの運行について

・学部施設について

・学生生活全般について

今後の対応:本学部の授業及び施設に関する課題は学部で共有しながら対応できるものから解消していきます。また多摩キャンパスでの共通授業及びバス運行など学生生活に関する意見は本学部学生からの要望として他学部へ発信していきます。

 

 

●教育開発支援機構(市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC))

モニター内容:・市ヶ谷地区の教養教育について

・履修して有意義だった教養科目

・学年ごとの履修のしかた・計画

・学部の専門教育と教養教育 ― 教養科目は、何のためにある?

・「公開科目」というものを知っていますか

・教養教育に望むこと ― 充実(新設)してほしい分野・科目や改善してほしい点など

今後の対応: 他学部公開科目の履修年次を現行(3年生以上)より下げることや、卒業所要単位に数えられる単位数を今よりもう少し増やすといった案について、市ヶ谷地区の各学部の「共有資源」を豊かにし、学生がより活用できるようにする方策として、今後、適切な会議体で前向きに検討していきます。

「教養ゼミ」等、少人数かつ通年のILAC科目に期待が高いことを各分科会に伝え、今後、可能な範囲で充実をはかっていきます。

授業を選ぶ際に重要な、セメスター初回の各授業の「ガイダンス」のあり方について、今後、学生の便宜を考えた有効な方法について、アイデアを考えます。

授業改善アンケート結果の公開については、現状では難しい面がありますが、学生からの意見(要望)を、関係する会議で伝えます。

各分科会で、需要や期待度の高いカテゴリーについて充実するカリキュラム改革(コマの再配置)を、可能な範囲で適宜おこなっていきます(2018年度から、漸次)。

公開科目の履修年次・履修単位の緩和については、HOSEI2030キャンパス再構築特設部会市ヶ谷地区ワーキンググループの作業課題の一つに挙げられており、「市ヶ谷地区教養教育のあり方検討プロジェクト報告書」にも提言として書かれているので、2018年度には具体的な議論を開始できる見込みです。

 

 

●教育開発支援機構(多摩)

モニター内容:多摩キャンパス学生の学習環境について

・日常的な学習行動(学習時間・学習場所など)

・個人で学習する際の環境

・グループ学習の環境

・1T利用の環境

・正課授業の学習支援(学習支援ハンドブック、授業支援システム、学生アシスタント・T・A等)

・正課外学習・正課外活動(学生FDスタッフ、オンキャンスタッフ、KYOPROスタッフ等含む)

その他

・授業改善アンケートの改善点など

今後の対応: 多摩キャンパスにおける授業時間外学習は、グループワークではなく、個人で行うことが多いとのご指摘をいただきました。今後、学習施設の改築等を検討する際に参考にします。また、情報機器、Wi-Fi、家賃補助、食堂の価格、交通問題に関するご意見をいただきましたので、関連する担当部署に周知し、適宜検討するように依頼します。

なお、キャンパス周辺の治安に気を配ってほしいとのご意見をいただきました。これまでもキャンパス周辺の治安には、地元警察署や近隣との連携のもとに気を配っておりますが、ご意見を受けて速やかに担当部署に連絡し、対応の強化を依頼済です。

 

 

●教育開発支援機構(小金井リベラルアーツセンター(KLAC))

モニター内容:小金井キャンパス体育会所属学生を対象とし、下記項目をヒアリングした。

・履修して有意義だった教養科目

・教養教育と学部の専門教育との関係

・履修した保健体育科目について

・体育会学生に対する支援体制について

・教養教育及び保健体育教育に望むこと

今後の対応: 学生のコメントから、小金井キャンパスの体育会所属学生は、様々な点で他キャンパスの学生とは異なる環境下に置かれていることが明らかになりました。今後は、聴取した内容をKLAC保健体育分科会などで議論し、保健体育関連科目のカリキュラム改革に適宜進めます。あわせて、授業以外の面でも関係部局と連携しつつ支援体制を構築する必要があります。


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