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教育開発支援機構では、学部教育について学生の皆さんの様々なニーズを発見するための「学生モニター制度」を実施しました。
ホームページでの公募に応募した学生の中から、学科・学年等のバランスを考慮して119名の学生モニターが選ばれ、2016年10月13日〜12月9日の期間で座談会形式によるヒアリングが行われました。今年度は法学部・文学部・経営学部・国際文化学部・人間環境学部・キャリアデザイン学部・グローバル教養学部・経済学部・社会学部・現代福祉学部・スポーツ健康学部・情報科学部・理工学部・生命科学部の計14学部での実施に加え、教育開発支援機構キャリア教育プログラムとしても「本学のキャリア教育」をテーマにヒアリングを実施しました。
学生モニターからは授業運営の方法やカリキュラムについての様々な意見や要望をいただきました。ご協力いただいた学生モニターの皆さん、有難うございました。
学生のみなさんの貴重な意見は、各学部での今後のカリキュラム改革や大学の取り組み等に活かしていきます。以下に学生モニターからいただいた意見に対し、各学部の対応の一部を紹介します。
●法学部 法律学科
モニター内容:配当年次の問題、専門科目の選択の仕方、専門演習の選考のプロセス、専門演習の選択など
今後の対応:学科会議において学生モニターから寄せられた意見を共有した上で、選択必修の数、履修登録上限単位数、配当年次、新規科目の開設等について、カリキュラム委員会において検討します。
カリキュラム委員会における検討は次年度以降継続的に進めていきます。また、専門演習の選考のプロセスについては、学科会議にて見直しを行います。専門演習の選考プロセスの見直しは、次年度の専門演習の選考が開始する前に行う予定です。
●文学部
モニター内容:文学部受験の動機、進学の目的、文学部、授業、授業外活動に対する感想・意見、将来の法政大学に対する希望など
今後の対応:学部として対応が可能なものと困難なものとがありますが、可能なものについては順次検討し、改善を図ります。たとえば、大教室授業の改善や学生のプレゼン能力の育成を図る授業などは優先的に検討し得る案件だと考えています。
●経営学部
モニター内容:1・2年次専門科目(A群・B群)に関する学生の認識、履修、現行カリキュラムなど
今後の対応:カリキュラム改革の中で初年次で履修可能な専門科目を増やすことを検討しています。また、学科の垣根の低さなどプラスの声を維持する方向でカリキュラム改革を進めていきたいと考えています。その他、同名科目の内容の均一化や成績評価の厳格化などについての検討も行っていきます。
●国際文化学部
モニター内容:コース制、SAとその前後の学習・研究の関連、レポート・論文作成法の習得/上達など
今後の対応:モニタリング実施報告書を教授会メンバーで共有し、教授会メンバーからの意見聴取を行い、本制度利用の目的であった「現行カリキュラム問題点の洗い出し」を開始します。2017年1月末までに把握された、学生からの多様な要望や、教員の意見・提案はすでに教授会で共有しています。2016年度学生モニター制度利用の成果は2017年度へと引き継ぎ、今後のカリキュラム改革に活かすべく検討して行きます。
●人間環境学部
モニター内容:コース制度、人間環境セミナー、フィールドスタディ、研究会、基礎演習、語学授業、学生生活全般、グローバル化の対応など
今後の対応:コースコア科目を中心とした新しいコース制は、2016年度入学生から適用し、2015年度以前に入学した学生に対しても、所属コースで履修して欲しい科目のガイドとして、科目を紹介しています。また、コース制、人間環境学部の学び、専門性、人間環境学部とは何かという点に関する説明は、2016年度に学部ホームページや、履修の手引きに、図表を入れながら解説しています。コース制の説明、人間環境学部の学び、専門性などについての説明については、HPや履修の手引きなどで、随時、更新していきます。
●キャリアデザイン学部
モニター内容:体験・現場型授業について、履修の動機、シラバスとの整合性・事前学習、安全面、トラブル対応、引率者の役割、事後学習、体験型授業ならではの学びなど
今後の対応:少人数で同じ目的を共有する仲間と学びあうことについては高評価であったが、反面、グループ作業等が授業期間外まで食い込むことについてはかなり批判であったため、授業の運営方法についてもう少し工夫する必要がある。また危機管理について心配する声があったため、今まで以上に注意を払いたい。
●GIS
モニター内容:カリキュラム全般(必修科目、英語、科目の選択、履修制限)、ゼミ制度、留学制度、就職など
今後の対応:モニタリングから得られた意見を学部教員全体で共有し、今後の授業運営、カリキュラムの修正に活かして行きます。学生から出された改善要望のうち、すぐに対応できるものについては、既に対応済みであり、さらに慎重な対応が必要なものについても、現在、対応の準備を進めています。対応可能な指摘については来年度中に対策を決定し、実施する予定です。
●経済学部
モニター内容:演習、専門教育科目、入門ゼミ、1年次と2年次以降の教育内容、数学、キャリア教育・就職支援活動、英語、第二外国語、総合教育科目、学習的な学部行事、学生生活一般(学食、バス問題他)など
今後の対応:「専門教育科目」の諸意見に対しては、1.大人数教室での私語による悪影響については、教員による教室の環境管理、私語の注意を徹底するとともに、可能な限り少人数化に努めます。2.学生の履修において、科目の系統性や順次性を明示したカリキュラムツリー、履修モデルが有効だと改めてわかりましたので、2017年度中に完成させます。3.2016年度からの新カリキュラムでは、経済学の専門科目に「必修科目」を設けて、2年次までに履修することを進級要件としていますので、全員が最低限の経済学(ミクロ・マクロ)の基本は抑えるカリキュラムになっており、その点は対応済みです。4.頑張っている学生、成績優秀な学生は、現在進んでいるGPA制度の改革の方向(評価の細分化、厳密化)を望んでいます。教員相互のGPAの比較を伴う公平で細やかなGPA評価によって、学生が楽に単位取得できる授業に流れて、積み上げ履修の経路自体が崩れる問題の解消にもつながると期待されます。これは、1.の大人数受講者問題の改善にもつながるでしょう。
「1年次と2年次以降の教育内容」の意見として、経済学部の売りである、「積み上げ式」のカリキュラム:体系的に基礎からきちんと積み上げて理解を深めていくカリキュラムには満足だということでした。しかし、実際に全ての学生がそのとおり積み上げ的に履修してくれているか、という点が重要で、うまく誘導する工夫として、やはりカリキュラムツリーや履修モデルを作成することが重要であるとわかりました。「数学」の意見に対しては、1.今年度から「ビジネス数学入門」という入門講義ができて、経済学で使う数学を、本当に基礎的なところから教える(高校から大学への)接続的な講義ができたので、今後はその教育効果を検証する必要があると考えています。
(即実施)大人数教室での私語による悪影響については、教員による教室の環境管理、私語の注意を徹底し、可能な限り少人数化に努めます。
(2017年度に)カリキュラムツリー(履修モデル)を作成し、2018年度には、公開します。
(2017年度より)「専門必修科目(3学科)」「ブリッジ科目(ビジネス数学入門)」の教育成果(学生の学習成果)の検証を開始します。
●社会学部
モニター内容:専門科目の履修状況、カリキュラム(主専攻・副専攻選択)、ゼミ選考プロセス、学習環境、情報発信について
今後の対応:科目履修については、基本的に問題ないことが確認できましたが、ゼミ選考についてはモニタリングから得られた情報を共有し、改善を検討していきます。ガイダンス日程表は、より見やすくなるよう改善します。メールアドレスの情報システムへの登録方法の周知についても、新入生ガイダンスで分かりやすい伝え方を工夫します。
●現代福祉学部
モニター内容:基礎演習、外国語、フィールドスタディ入門、社会福祉・地域づくり・臨床心理の3領域を融合したカリキュラム、専門基礎科目、専門基幹科目、実習、海外研修、国内研修制度、現代福祉学部棟、多摩キャンパス、事務課など
今後の対応:モニタリングから得られた意見をもとに教務委員会で改善策について検討します。その後、教授会へフィードバックして学部教員全体で共有し、今後の授業運営やカリキュラム構築などに活かしていきます。既に教務委員会での検討は行っており、次年度より改善する予定のものもあります。
●スポーツ健康学部
モニター内容: 英語授業、必修授業、コース授業、バス問題、学生生活など
今後の対応:意見としてあげられていた英語授業および必修授業に関する課題は学部で共有しながら対応策を練っていきます。またコース授業やその他授業についてあげられていた問題点は次のカリキュラム改革の中に反映させる予定です。学内循環バス問題および売店の開店時間延長についても関係各所との折衝によりできるだけ早期に解決できるように善処したいと考えています。
●理工学部
モニター内容:履修登録、チューター制度、実験・演習、カリキュラム、シラバス、インターンシップ、卒業研究、就職活動など
今後の対応:意見に対し、理工学部執行部会議を通して、関係する学科、小金井事務部学務課、小金井キャリアセンターに報告し、協議したうえ、対応策を検討していきます。(2017年4月以降)
●生命科学部
モニター内容: カリキュラムおよびカリキュラムマップ、各種制度の認知度・利用、英語教育、情報教育、教養科目、研究室配属、他学部科目履修生度など
今後の対応:授業内容の改善については,専任教員間の議論だけではなく,兼任講師との懇談会で意見交換を行う、KLAC等との連携をさらに強化する、などの対策を2017年度より検討します。2017年度生命科学部に数学と英語の教養専任教員が着任するため,新任教員と協力しながら教養教育の強化に力を入れていきたいと考えています。
●情報科学部
モニター内容: 入試(制度、科目、方法など)、カリキュラム、施設・設備・立地、教員・スタッフ体制、広報、大学生活全般など
今後の対応:入試に関しては、入学後の成績や大学院進学状況を考慮しつつ、高校の科目受講状況を鑑み科目の多様化も含めた入試の検討を進めます(2017年度より)。また優秀学生の出身高校(特に女子校)への指定校推薦の枠の増加を行います(2016年度より継続)。カリキュラムに関しては、コース制などを上手に活用して専門によって物理が必要でないことを明確化して多様な入学経路の学生に対応できるようにカリキュラム改革を進めます。(2018年度より)また、学部独自に設定している教育改革のための時間を活用して社会で活躍する先輩や大学院生の先輩をロールモデルとするキャリア教育を実施します(2018年度より)。広報に関しては、情報科学部での学びを高校生が理解できる形で見せられるよう配慮します。また、5年以上の実績があるピアサポート体制であるGBCをより強調していきます(2017年版より)。オープンキャンパスのみならず、研究室公開などの機会にツイッタ―広報要員として学生アルバイトを採用することを検討します(2017年度)。設備に関して、西館トイレの改装を大学に要望していきます(2017年度)。他学部科目履修生度改善のための提案を大学に対して引き続き行います。
●教育開発支援機構キャリア教育プログラム
モニター内容: 「キャリア教育」からイメージするもの、専門分野以外で受けたい授業、涵養したい能力や希望する授業形態、キャリア教育科目の履修、インターンシップなど
今後の対応:キャリア教育プログラムは、リベラルアーツセンター長やキャリアセンター長、キャリアデザイン学部の教員などが参加する、大学全体としてキャリア教育の推進について検討している機関です。今回のモニタリングで得られた意見はキャリア教育プログラム運営委員会で共有し、今後の検討に活かしていきます。
以上