取り組み・事業

【活動報告】社会連携プログラム 「日本のサラブレッド産業の現場を考察する」を実施しました

活動報告2024.12.05

 北海道新冠町と連携して実施した社会連携プログラム「日本のサラブレッド産業の現場を考察する」(正課外)を
2024年9月2日(月)及び9日(月)~12日(木)の計5日間で実施しました。全学部生に募集を行ったところ、
定員上限を大幅に上回る応募があり、その中から参加希望理由を基に選抜された9名の学生が参加しました。
 本プログラムは人馬のウェルビーイング研究所(大学院特定課題研究所)が企画し、所長であるスポーツ健康学部
高見京太教授(体育会馬術部部長)と柏村晋史大学院特任研究員(体育会馬術部監督)が講師として参画しました。
本学と新冠町との連携のご縁は、人馬のウェルビーイング研究所並びに体育会馬術部が提携を結び、多くの引退競走馬を
寄贈いただいている新冠町のサラブレッド生産育成牧場である錦岡牧場が仲介くださったことで、実現しました。
 選抜の末に参加した9名の学生たちは、競馬スポーツにファンとして日々親しむ中で、主役であるサラブレッドの
生産・育成現場を自身が体感したい、そして現場での企業や行政の関わり、更に地方創生にどのように取り組んでいるか
学びたい、という視点で集った大変意欲的なメンバーでした。
 
 本プログラムの目的は、我が国が世界に誇る一大産業であるサラブレッド産業(軽種馬産業)を、その現場である
北海道新冠町の町役場と生産・育成牧場とで連携することにより、産官学連携の基で「地方創生」を主眼に
実地学習することにあります。
 新冠町役場、新冠町のサラブレッド生産牧場である「サンローゼン(明和)」・「竹中牧場(美宇)」・「中地牧場(朝日)」・
「ナスノファーム(東泊津)」・「豊栄牧場(高江)」、新冠町のサラブレッド育成牧場「キタジョファーム(共栄)」、
新冠町の乗馬クラブ「にいかっぷホロシリ乗馬クラブ(西泊津)」、北海道庁が主催するホッカイドウ競馬の門別競馬場
(日高町)、の各連携先に多大なご協力をいただき、大変有意義で実りあるフィールドワークを展開することができました。
 新冠町の鳴海修司町長や職員の皆様、フィールドワークを受け入れてくださった各生産牧場、育成牧場、乗馬クラブ、
門別競馬場の皆様より、学生たちは大歓迎をいただき、温かく熱心なご指導や解説を施していただきました。
 NHK北海道、日高報知新聞、北海道新聞、広報にいかっぷ、の各種媒体より取材を受け、ニュース動画や新聞記事、
広報記事を通してプログラムを広く発信いただきました。
 プログラムスケジュール及び内容としては、初日の9月2日には多摩キャンパスの馬術部馬場にて繋養している、
錦岡牧場寄贈馬である引退競走馬をモデルに馬の生態を学びました。(今回は台風の影響でオンラインへ変更)
 新冠町学習初日の9月9日は町役場にて鳴海修司町長を表敬訪問し、企画課原口正也係長からの新冠町とサラブレッド
生産・育成牧場の概要講義を受講しました。その後、にいかっぷホロシリ乗馬クラブにて北海道の広大な大地での
引退競走馬への体験乗馬も実施しました。9月10日と11日は、上記5つの生産牧場にご協力いただき、学生がそれぞれ
朝から夕方まで、牧場業務の体験と新冠町のサラブレッド産業の各所を訪問しての実地学習に取り組みました。
最終日の9月12日は午前中に町役場にて、今回のフィールドワークで学習した事柄についてのグループワークと
プレゼンテーションを実施しました。「生産現場」で体感したことを基に、町の課題解決、まちづくりの観点で
新冠町への提言をまとめました。町長と町役場職員の皆様、生産牧場の皆様もご来場され、緊張感が漂う中で
温かい眼差しを注いでくださり、激励を込めた講評をいただくことができました。
 その後、育成牧場のキタジョファームを全員で訪問し、壮大なトレーニング施設を見学することができました。
企業方針やそれを実現する理論立てられた施設と調教内容に、一同圧倒されました。
 最後のフィールドワーク先として日高町の門別競馬場を訪問し、職員の方々のご案内のもとで競馬場を学習し、
ライブでの競馬観戦を行いました。サラブレッドの生産・育成の実地学習を経て接する競馬は、一歩進んだ
観察眼をもって臨むことができました。

 各参加学生より、「生産牧場において貴重な体験ができてよかったです。また、地域経済についての貴重なお話も
聞くことができ、牧場の素晴らしい環境の中で馬たちと触れ合う機会は有意義な時間になりました。」、
「馬産地に実際に行ってみて、新冠は様々な政策で住みやすい地域であることを認識できてよかったです。
また、競馬業界に関わりたいという希望の中に新冠の経験を加えられて貴重な経験になったと思います。」、
「普通の訪問ではできない、大学という教育機関だからできるプログラムが満載でとても満足度が高かったです。
特に牧場で実際の就業体験をできたことは非常に有意義でした。また、牧場の方々との繋がりが持てたことも
嬉しかったです。素晴らしいプログラムだったと思います。」、「3泊4日あっという間に過ぎてしまいました。
来年度はもう卒業していますが、ぜひ来年以降も開催して下級生の皆さんや今回参加出来なかった皆さんにも
参加して欲しいと思う内容でした。」という様々な感想が寄せられました。
 修了課題として、参加学生は1,000文字以上の「サラブレッド産業でのフィールドワークを通じて」と題したレポートを作成し、町役場と各生産牧場へ提出しました。本プログラムを通して参加学生の一人一人がサラブレッド産業への理解を深め、新冠町に同産業がどのように根付いているか肌で感じ、地方創生について多様な視点で学習を進めることができました。
 更にエクストラプログラムとして11月9日(土)には、キタジョファームの北所直人代表取締役が参加学生と高見教授を東京競馬場にご招待くださりました。所有馬であるペイシャエスとキタノヴィジョンが出走するGⅢ武蔵野ステークスを皆で応援観戦するという大変貴重な機会をいただき、心に残る素敵なひと時となりました。
 今後も社会連携教育センターと人馬のウェルビーイング研究所は協働して、本学と新冠町との連携を大切に育み、学生の学習機会の創出や地方創生、サラブレッド産業の一層の活性化に向けて取り組んで参ります。

 
※『人馬のウェルビーイング』とは、地域社会において子供や障害者を含む人々と、
 引退競走馬をはじめとする「馬」との関わりを深め、人馬双方の健康で幸福なくらしの実現を図る、本学発祥の活動です。

 
※本プログラムの活動の様子(写真)は、こちらもご覧ください。
 

新冠町役場にて鳴海修司町長を表敬訪問
生産牧場「ナスノファーム」で仔馬の曳き馬を体験
生産牧場「豊栄牧場」では大切な放牧地の清掃を丁寧にレクチャーいただきながら体験
最終日に町役場にて、鳴海町長が見守る中で学生達が課題解決に向けたプレゼンテーションを実施
風光明媚で天然温泉を満喫できる「新冠温泉ホテルヒルズ」を拠点に活動
11月9日にエクストラプログラムとしてキタジョファーム北所社長に東京競馬場へお招きいただき、皆でペイシャエスとキタノヴィジョンを応援