社会連携教育センター センター長あいさつ

生命科学部教授 山本 兼由

社会連携教育センターはSCOLE(Center for Social and Collaborative Learning)と呼んでほしいと思います。

本学は、社会発展のため、教育研究の成果を広く社会へ提供し続けています。現代社会は、多くの知識や技術が目覚ましい速さで蓄積され、それらが相互に絡み合い日進月歩で変化し続けています。特に昨今、私たちはリアル空間とデジタル空間を共有するようになってきました。このような情勢変化は、本学と社会との連携を改めて考える絶好の機会です。この背景も受け、SCOLEは、企業、地方自治体、地域社会、学校などと連携を図り、現代社会の最前線で教育活動や研究活動を積極的に進めていきます。

これまで、学部や学生支援に関わるさまざまな部局が、企業、地域社会、地域社会、他大学などと連携する多くの教育プログラムを正課・正課

外を問わず実施してきました。これらの教育プログラムは、それぞれが掲げる目的を着実に達成しています。SCOLEの一つの役割は、これら教育プログラムをベースに、法政大学の教育目標「実践知」の育む社会連携教育を、全学的に体系化し、組織的に推進することです。

大学と社会は、次世代を担うべく人材育成を共有しています。しかし、それぞれの社会的役割を考えると、必ずしも人材育成のプロセスや目指す人材像を一致させることはできません。むしろ、一致させることは不可能かもしれません。ただ、事実に基づき正確に知識を把握する能力、それら知識から問題を発見する能力、そして発見した問題を課題として受け止めどのような解決法があるのかを考える能力、これら「論理的思考に基づく課題解決能力」は、大学と社会とが共通して求める人材能力の一つでしょう。SCOLEは、このような共通観点を大切にし、学生個々の「実践知」の育みを大いに刺激する社会連携教育を目指します。

法政大学には15学部と17研究科があります。この法政大学を一つの枠として考えると、社会と接するのは、必ずしも特定学問分野との「点」だけではなく、2つの学問分野にわたる「線」や3つの学問分野にわたる「面」で接していたりします。場合によっては、4つ以上の学問分野にわたる3次元で記述できない関係も想定できます。この多様な社会と本学との連携を推進したい。その実現を目指し、SCOLEは学内外からのご要望や提案などを丁寧に受け付ける窓口になります。

変化し続ける社会情勢を敏感に感知し、柔軟な教育研究を展開する法政大学。それを後押しするSCOLEへ、学内外を問わず、多くの方々から、ご支援とご協力を期待しています。

社会連携教育センター長
山本兼由(生命科学部教授)