生成AIツールに対する基本的考え方
2023.06.23
生成AIツールに対する基本的考え方
法政大学教育開発支援機構
教育開発・学習支援センター
ChatGPTを始めとした生成AIツールが手軽に利用できる状況になっています。大学の学びにおいても生成AIツールが様々な側面で影響を与えつつあります。そこで、教育開発・学習支援センターとして、生成AIツールに対する基本的な考え方をここに示すことといたしました。
私たちは、常に生み出され続ける新しい技術を活用しながら、新たな学びの方法を修得してきました。法政大学憲章に謳う「自由を生き抜く実践知」は本学の教育研究を通した社会的責任の表明で、この実現のため建学以来「自由と進歩」の精神を尊重してきました。この大学の理念に沿えば、学びの深化を促す方法や技術については基本的な態度として、積極的に受け止めるべきでしょう。これからの社会において、生成AIツールを使いこなすことが要請されるであろうことは想像に難くありません。使用倫理への配慮、それらの使用がもたらすセキュリティや法的リスクといった危険性について十分に認識した上で、日常生活や学びのなかで賢明に活用していくことは重要であると考えます。
しかしながら、それらが学生の正確な知識の理解、知識を利活用するリテラシー、生涯自ら学ぶ態度の涵養を阻害する可能性があるのであれば、その範囲においては取り扱いに十分な注意を払うことが求められると考えます。場合によっては、大学の学びの本質を妨げるような、本来の学びのあり方を損なうような生成AIツールの利用については、厳しく制限することも必要となります。また、規制するだけではなく、生成AIツールの適切な利用を促すために、新しい技術への向き合い方や使い方に関して教育していくことも大学の使命であると考えます。