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(財)大学コンソーシアム京都 第5回SDフォーラムに参加して
キャリアセンター市ヶ谷事務課 田村理恵
大学コンソーシアム京都は、京都地区を中心に大学と地域社会および産業界との協力による大学教育改善のための調査研究、社会人教育事業などを行う財団法人で、2005年には特定公益増進法人の認定も受けている。国立大学法人、財界団体も含め55団体が加盟し、加盟校の単位互換制度、産学連携事業等幅広く活動を展開している一方で、今回5回目を迎えるSD研修のように、大学職員が大学経営という視点に立ち、大学を取り巻く諸構成員の調整や政策実行能力を身につけることを目的にそった研修会も例年行われている。
<基調講演について>
立命館大学前理事長の川本八郎氏より「大学運営におけるリーダーシップと大学改革」というテーマでの講演であった。リーダーシップとは何かを大学経営の視点からとらえ、大学組織に必要とされるリーダーの資質について語られた。氏によると私学の経営は厳しい学費によって成り立っているがゆえに、国公立にはない先進性を持てるはずとのこと。
リーダーの資質、役割論、また職員と大学教員との連携の必要性を述べ、職員は教員に理路整然とした政策提示を行い、教員の能力も吸収できる全学一致の政策を形成していくべきとの持論を語られた。また政策への取り組みのスピードの重要性、戦後民主主義教育の悪しき平等主義への批判、正当な能力評価の難しさにも言及された。
<分科会について>
京都産業大学進路センター部長西田義則氏より、「大学経営を睨んだ就職支援戦略〜就職担当部署への期待と役割〜」というタイトルで、京都産業大学の取り組みについて詳細にご説明いただいた。低学年からキャリア形成科目の受講、インターンシップへの参加(こちらも7科目まで単位として認定)など、数多くの他私大に先んじる実践例をご紹介いただいた。キャリア形成科目は17科目(13000名中2740名受講)あり、昔の教養科目として位置づけて文理の区別はないとのこと。京都産業大学では、キャリア教育研究開発センターは教務部の発展形として立ち上げられており、センター長は教務部長が兼務。進路センターという就職支援直結の部署は別にある。西田氏によると、教員のかかわり方にはまだ個人差があるが、低学年から就職活動まで学生のトータル支援を目指して活動中とのお話であった。
説明後の質疑応答では、キャリア就職の重要性や、3年生の支援が始まって以降の4年生への就職支援の手当て、また留学生への手当て、センターと各学部との協力体制や、組織そのものの構成など数多くの質問、意見が交わされた。
<まとめ、感想>
全体として、まずはコンソーシアムの活発な活動状況と、個々の大学へも影響力の大きい諸制度(単位互換、産学連携も含んだ交流など)に大変魅力を感じた。関東にも同様の大学および地域横断的な組織が形成されれば、その効果はかなり期待できると思う。
またSD研修も大変内容の濃いもので、分科会、交流会では多くの大学の方(センター長など教員も含む)と率直に意見も交わせ、とても有意義であった。また関心の高いテーマの研修があれば、ぜひ参加をしたいと思う。