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第1回大学教職員のためのFDセミナー
「FDの新しい方向性―eラーニングに淘汰されないために―」に参加して
施策開発プロジェクト・リーダー
川上 忠重(工学部教授)
大学セミナーハウス・学習学協会・法政大学FD推進センター主催による、第1回大学教職員のためのFDセミナー「FDの新しい方向性」をテーマしたセミ ナーが、2007年5月26日(土)午前10時〜午後5時、法政大学市ヶ谷キャンパス(九段校舎5F第二会議室)にて行われた。本セミナーは、2007年 度からの「大学院のFD義務化」及び、ほぼ確実視されている2008年度からの「学部のFD義務化」への新しい取り組み方の土台造りとして、多様な学生の 特性に現実的な対応をはかりながら、インタラクティブな講義・演習を実施する手法を体験的に修得することを目的として開催された。
講師は、NPO学習学協会代表理事、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」でもお馴染みの本間正人氏(東京大学社会学科卒)であった。セミナーは体験 型であったため、いろいろな貴重な体験をさせていただいたが、主な内容は以下のとおりである。
1)「学習学」の基本的考え方(講演)
「学習」は、外界を認知し、自らの特質を活かす形で、環境に自らを適応させることであり、「学習学」は、 Facilitating(Facilitator), Coaching(Coach), Mentoring(Mentor)をキーワードとし、集合研修の中で学習者の「学び」を促進し、1対1の個別指導を取り入れながら、自らが経験して学ん だ体験を踏まえて指導者として学習者に伝えることの重要性を考える「学びあい」であり、指導者は「学習学」の重要性、すなわち「F2F」(Face to Faceの意)による学生との「コミュニケーション」のスキルアップ(言葉、音声、身体)を、まず考えるべきであるとの内容であった。
2)コミュニケーションの機能(主に体験型)
「コミュニケーション」の機能は、未知の事実を「コミュニケーション」により、相手と情報交換する事で、固定観念、先入観、思いこみ、決めつけ、偏見のイ メージを払拭し、相手に対する理解を深める手法である。実際の大学の現場では、学生との「コミュニケーション」不足が、数多く指摘されている。「コミュニ ケーション」能力の向上の一環として、?ファーストインプレッショントーク(セミナーに参加した初対面の参加者をペアとし、対面しながら、相手の印象を2 分間しゃべり続ける)?ブラインドウォーキング(参加者をペアとし、一人が目を閉じて、もう一人の方が相手を誘導しながら建物内外をウォーキングす る。)?ヒーロー・インタビュー(参加者がペアになり、一人が自分の一番頑張った話しをし、それを聞きながらもう一人の方が、インタビュアーのように相手 の会話を引き出すように質問や相づちを入れていく)?ブレーン・ストーミング(参加者4人を1グループとし、「学生の満足度を高めるためにできること」や 「答えにくい質問への対処法」について数多くのアイデアを出し、その後、出されたアイデアを題材として、グループごとに意見交換を行う)等であった。
今回のセミナーに参加させていただいて、教員側にも今後益々、講義内容を興味深く伝える「プレゼンテーション能力」、個々の学生の学習意欲を高める「コー チング能力」、参加型授業に学生を誘う「ファシリテーション能力」が求められることを痛感した。今後、今回の経験を踏まえて、「FDの新しい方向性」を FD推進センターのリーダーの一員として考えていきたいと思う。
講師:本間正人氏(学習学協会代表理事)