池田輝政・戸田山和久・近田政博・中井俊樹(著) 玉川大学出版部(2001.4)
授業の秘訣(ティーチング・ティップス)を、前半では「ティップス先生」の日誌風に、シラバス作りから前期終了時までの時間軸に沿って紹介しています。著者たちは、名古屋大学高等教育研究センターの関係者です。本の後半では、「授業の秘訣」をトピックごとにまとめています。内容的には、『授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集』『授業の道具箱』と重複する部分もありますが、『授業をどうする!』よりは秘訣が体系だって整理されていることと、『授業の道具箱』よりも手軽に読めるという位置づけになります。ただし、手軽に読める本を目指して作成されたというだけあって、「授業の基本を確認する」ことを目的として読むのならよいのですが、一定の水準以上の授業をしている(と自負している)人にとっては、少し物足りないかもしれません。とはいえ、一度は基本を再確認しておくことは必要ですし、必ず得るところはあると思います。なお、本に収録されている内容は、名古屋大学高等教育研究センターのHPでも公開されていますので、購入前に確認するとよいでしょう。