法政大学 教育開発支援機構 FD推進センター
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◆「第1回 教育テクノロジー・ワークショップに参加して」

2005.10.01


「第1回 教育テクノロジー・ワークショップに参加して」
総長室 課長 妹尾 毅


2005年10月10日〜13日の4日間、サンフランシスコ州立大学教育学部教授技術学科(San Francisco State University, College of Education, Department of Instructional Technology)主催の教育テクノロジーに関するワークショップ(コーディネーター:キム・フォアマン教授)に参加した。これは文部科学省平成17年度「大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育実践支援)」『FD活動と教育テクノロジーの高度な融合』(取組担当者:後藤篤子文学部教授)が採択され、この度参加の機会を与えられたものである。

内容は後ほど簡単にご紹介するとして、早朝から夕方までみっちり行われた授業は、座学に加えコンピューター実習もたっぷり組み込まれたもので、ホテルに戻るとさすがに疲れが出た。しかし、全日程終了後は心地よい疲労とともに充実感、達成感に満たされた。開始前日まで理解に対する不安はあったものの、これは単なる杞憂であった。振り返ればあっという間の4日間であり、ひとことで言えば面白かったのである。

参加者は、私のほか日本から後藤篤子FD推進センター長、大澤曉国際文化学部教授、田村敦司学務課員、現地から清原孟アメリカ研究所長の5名である。

コーディネーターのキム・フォアマン教授のご専門は、的確な日本語が思い浮かばないが、教育学を基礎としたIT技術の教育への応用領域というのが正確であろうか。韓国から単身渡米し大学教授まで登りつめたいわばアメリカンドリームの体現者の一人である。終始笑みを絶やさずそのお人柄は非常に温厚でいらっしゃる一方、教育に対し非常に厳しくも真摯な態度で臨まれる。「教育とはバケツを満たすことではなく、火をともすことである」(アイルランドのノーベル文学賞受賞詩人イェイツの言葉)を座右の銘とされていることからも伺えるとおり、教育への情熱が我々受講者にひしひしと伝わってくる方である。本学とは、昨年1月と3月に法政大学アメリカ研究所(カリフォルニア州)において講演を行って頂いて以来の関係である。ちょっとしたエピソードを紹介すると、2日目の朝、トップバッター講師の到着が遅れるというアクシデントがあった。フォアマン教授の対応は非常に手際良い。全く動じることなく、前日の復習をごく自然に開始し講師到着までの時間を無為に過ごさせることがなかった。この間、到着の遅れなどには一切触れず、我々の意識を講座内容に集中させることに成功した。ご本人は特に意識されてのことではないと思うが、一同感心した次第である。

さて、ワークショップスケジュールの一部を以下にご紹介する。多彩な講師陣を取り揃え、4日間我々を飽きさせることがなかった。


初日(10月10日)
オリエンテーション
効果的教授法
Learning Management System (MOODLE: 州立大のiLearnにアクセスし実習)

2日目(10月11日)
Digital Portfolio
コンセプト・マッピング
応用ソフト実習
カリフォルニア大学バークレー校のケース紹介
Learning Management System (MOODLE: 州立大のiLearnにアクセスし実習)

3日目(10月12日)
オンライン・ラーニング
最先端技術の紹介
Learning Management System (MOODLE: 州立大のiLearnにアクセスし実習)

4日目(10月13日)
スタンフォード大学(Wallenberg Teaching and Learning Center)視察
サンフランシスコ州立大学(MOODLE、オンライン教材等支援)視察 

毎朝の打合せを含め開始は午前8時の終了は午後5時過ぎである。これだけでもいかにインテンシブかご理解いただけよう。ただ、受講する側はまだしも、コーディネーターのフォアマン教授の方が心身共に負荷がはるかに大きいはずである。ところが、ご自身は当ワークショップを大いにエンジョイされているご様子で、そのエネルギーには脱帽である。

特に印象に残ったのは、コンセプト・マッピングであった。近頃日本でもマインド・マップの書籍を店頭で見かけるが、コンセプト・マッピングはさらに進化、整理された考えとのこと。本学教授陣の評判も上々であった。個人的には、Instructional Technology、最先端技術の紹介といった座学も非常に興味深かった。遠隔教育の全体像を把握することも出来、On-Line Learningは非常に興味惹かれる内容であった。

ワークショップの構成、言語など、終了後にいくつかの問題点が指摘されたが、これらは1月中旬に予定されている第2回目において改善されるであろう。当初、開催3回、参加者11名を予定していたが、諸般の事情からワークショップはこの2回である。しかし、第1回の評価が非常に高かったため、第2回の人数が増え、のべ参加者数は当初の予定を遙かに超えるようである。より多くの教職員に対し、米国における最先端の教育テクノロジーを学ぶ機会が与えられるのは、誠に喜ばしい限りである。これもフォアマン教授のコーディネート力の賜であり、さらに言えば、学内においてその評判が伝えられたこと自体、すでに教育テクノロジーが草の根運動的に拡がりはじめた証左でもある。

来たる3月にはフォアマン教授を本学にお招きし、講演会や座談会を開催する予定と聞いている。ニューヨークでの学会参加を返上してまで来日くださるとの由。大変有難いことであり、また再会が楽しみでもある。

フォアマン教授の講演会では広く聴衆を公募する予定とのこと。当該取組ではこのような活動を通じ、我が国高等教育のレベル向上の一助となることが期待されており、その社会的責任は小さくない。今回の取組を契機に、本学における教育とハイテクの融合、ひいてはFD活動がさらなる飛躍を遂げ、本場アメリカのレベルを凌駕する日が来ることを期待している。

 


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